生きるパワー

私には小学校からの仲の良い友人が何人かいる。
その中の一人、彼女は重度の身体障害者だ。
発病したのは中学生の時、ある日突然だった。
彼女とはFAX文通と年賀状のやりとりをしている。
彼女からくる年賀状は決まって、「今年も生きています」という言葉が添えられている。
彼女にとっては、毎年生きていることを報告する手段なのだろう。
手のマヒのせいであまり上手に書けてはいないが力強く、一生懸命書いていることがうかがえる字。
その字を見る度に、心の中で「がんばれ!!」というエールを送っている。
先日、彼女からの電話が鳴った。
はずんだ声、元気そう。
「のんちゃん、私また死にかけちゃってさぁ〜、今病院なの。」
とても病人とは思えない話口調。
「もう大丈夫なんだけどね」
慣れたものである。
彼女はこうやって何度も『死にかけ』を体験している。
難しいことはよくわからない私にわかりやすく話す言葉として彼女は私に『死にかけ』という言葉を
使う。
その言葉は私にとって重く、何度聞いても聞き慣れない言葉。
健康優良児の私は病院に行くだけでかなりの勇気、そんな私には想像のつかない世界の話だ。
彼女を見ていると五体満足で生まれて健康に生きているのだから、もっと毎日を大事にして生きないと…
と思う。
きっと彼女はそうやって毎日暮らしているのだろうと。
そんな彼女ももうすぐ退院。
またFAX文通が再開される。
またあの力強い文字のFAXが近々届くだろう。
彼女は病院で
「まったく元気な病人ねぇ、あなた一体どこが悪いの?」という質問に対し
「口が悪いんです」と答えているらしい…
貴女の生きるパワー、尊敬します。


<NORI>2003.08.